屋内用と屋外用で異なる階段昇降機の特徴
階段昇降機とは、足に障害がある方や階段の上り下りで身体に負担がかかる方などが、イスなどに座ったままの状態で階段を行き来するための設備です。階段昇降機には、大きく分けて屋内用イス式と屋外用イス式、車椅子用があります。
階段昇降機のうち、屋内用イス式は自宅や施設などの屋内で使うタイプです。内装やインテリアに合うカラフルなイスやくつろげるソファのようなイスなど、さまざまな形状があるのが特徴です。現代の日本における住宅事情に合わせた省スペースタイプや、カーブや生活曲線に合わせて安全に設置できるタイプなどもあり、設置するスペースに合わせて選ぶことができます。
一方、屋外用イス式は建物外で使う階段昇降機です。他の通行者の邪魔にならないよう使用しない時には折り畳んでおけるタイプや、防滴加工が施されたタイプなど、屋外ならではの工夫が駆使されています。災害などで停電が起きた場合にも使用できるようバッテリー駆動方式が備わっているものや、オートパワーオフ機能が採用されているものなど、非常事態も想定して作られています。
また、車椅子用は車椅子を利用されている方がそのまま利用できるよう設計された階段昇降機です。車椅子に乗ったまま階段を上り下りできるリフトのような形状で、車止めや転落防止のバリアアーム、障害物感知装置といった安全装置付きなので、安心して利用することができます。万が一の時のための非常停止ボタンも付いています。車椅子用の階段昇降機の場合には屋内外兼用となっている場合が多いのが特徴です。駅や医療機関、公共施設など幅広い場所で用いられています。
階段昇降機のその他の仲間
階段昇降機に類するものとして、段差解消機や天井走行リフトと呼ばれる設備もあります。段差解消機とは、車椅子を利用されている方がそのまま段差を上がれるよう設計されたものです。一般的な階段昇降機が階段に沿って斜めに上がっていくのに対し、段差解消機は垂直に上がっていく点が大きな違いです。段差解消機は屋外から住宅への段差や、玄関にある上がり框の段差などの昇降に用いられます。健常者にとっては普段意識することがないような段差でも車椅子を利用している方にとっては大きな障壁となるため、日常生活で生じる段差への悩みを解消することができるという点が段差解消機の強みでもあります。一人で組み立てができるものもあり、いろいろな場所で活用されています。
一方、天井走行リフトとは身体が不自由なことにより自身での移動が難しい方が、天井に設置されたレールを利用して移動できる設備です。階段昇降機や段差解消機が下から上への移動であるのに対し、天井走行リフトは横への水平移動である点に特徴があります。利用者は、天井からつり下げられたリフトに座って移動する形になります。これによって部屋から部屋への移動の他、トイレや浴室等から車椅子といった移動も一人でできるようになるため、要介護者の生活環境の向上にも繋がります。介護者の負担を軽減する役割もあります。万が一のための自動停止装置や緊急降下機能が付いている他、リモコンで操作することができるようなものもあり、安心して活用できるような仕組みが作られています。
取り扱っているサービスを重視して会社を選ぶ
階段昇降機の導入を検討するのであれば、それを取り扱っている会社がどのようなサービスを行っているのかについても知っておく必要があります。設置からメンテナンスまでを担当してくれるのか、設置のみを対応しているのか、会社によっても対応が異なります。階段昇降機は人の身体を預ける重要な設備でもあるため、信頼できる会社を選びましょう。
会社を選ぶポイントとしては、購入前後のサポート体制の充実や、対応エリアなどを確認しておくと良いでしょう。購入後に何かあった時のために保守点検を行っているところであれば、購入後も安心して任せることが可能です。また、全国規模で展開している会社であれば、それだけ実績を積み重ねているという目安にもなり得ます。引っ越しをすることになった際にも対応エリアが広ければ引っ越し後もメンテナンスなどを任せることができます。
この他にも、福祉関係の商品の取り扱いが他にもあるかどうかも確認しておくこともおすすめです。階段昇降機に限らず福祉機器を広く扱っている場合、その分介護や福祉に関する知識や経験が豊富であると言えるためです。介護用品のレンタル販売なども行っているところであれば、まとめて相談することも可能です。
なお、階段昇降機は電源を使用するため、電源を供給するための設備が整っていない状態では設置することができません。そのため、電気工事サービスも併せて行ってくれる会社を選ぶと、電気配線を一緒にしてもらうことが可能になります。階段の近くで電源が供給できない場合には、その点も含めて相談してみましょう。